2018年7月号
特例事業承継税制を活用しよう
要件等が大幅に緩和され、特例事業承継税制(特例税制)が大変利用しやすくなりました。
特に、対象株式数の上限が撤廃され、猶予対象の評価割合が贈与、相続ともに100%
となったことで、後継者の税負担がゼロになりました。また、雇用確保要件も実質的に
撤廃され、要件を満たさなくなっても、認定経営革新等支援機関の意見等があれば猶予が
継続されます。
この特例税制の適用を受けるには、平成35年3月末までに、認定経営革新等支援機関の
指導・助言を受けて「特例承継計画」を作成し、都道府県に提出する必要があります。
知らなかったではすまない“保証”の注意点
中小企業経営者は、融資その他の取引において、保証(連帯保証)を行っている
例が少なくありません。経営者の保証(保証債務)は、経営者の死亡によって残さ
れた家族(相続人)に承継されます。生前に、家族に知らせないまま保証人に
なっていたことから、突然、家族に多額の債務の弁済が求められ、財産を失って
しまう例が少なからずあります。
他社や知人・友人の債務を保証している事実があるなら、家族がその事実を確認
できるようにしておきましょう。
また、2020年4月施行の改正民法では、安易に知人の保証人になることがないよう
公正証書の作成が義務付けられるなど、保証人保護の規定が設けれています。
日々の記帳と発生主義の徹底
経営者が、業績をいち早くつかみ、正しい経営判断をするためには、月次決算が
不可欠ですが、日々の取引の会計帳簿への記入や仕訳データを入力する目的は、
まず、毎日のお金や取引の流れを、もれなく、ありのままに記録することにあります。
そして、複式簿記のルールに則って、正しく計算された月次決算資料や決算書は、
的確な経営判断の基礎になります。
月次決算の基本は、日々の正しい記帳(記録と計算)と、現金管理、証憑書類の
整理保存、発生主義による会計処理にあります。