2018年2月号
成り行き経営からの脱却 ~黒字化のための経営計画作成ステップ~
経済が右肩上がりの時代は、資産の含み益を担保にした融資や、資産売却による
借入金返済が可能でした。
しかし、経済が低成長の時代に入った今、これからは、黒字を重ねて利益を
内部留保し、経営基盤を安定させなければ、企業の継続が難しくなっています。
会社を継続させるために、最低限必要な売上高と利益を確保するための経営計画を
作成し、目標に向かって経営することが必要になっています。
黒字化を目指した経営計画の作成を通じて、自社の経営課題を明らかにして、
その改善策を図ることが成り行き経営からの脱却になります。
身の丈にあった借入れとは?
設備資金の借入れにあたっては、毎年の返済額を「減価償却費の範囲内」に
収める返済計画を立てましょう。減価償却費は、資金流出のない費用であるため、
この範囲に返済額が収まれば資金繰りが楽になり、利益を内部留保として蓄積する
ことができます。このような返済計画での借入れが困難であれば、「減価償却費と
税引後利益の合計の範囲内」に収めるようにしましょう。
「TKC経営指標(BAST)」の「借入金対月商倍率(月)」「自己資本
比率(%)」の数値から、赤字企業ほど、借入金が多く、自己資本の割合が低い
傾向にあることがわかります。
自社の数値と比べてみましょう。
所得税の確定申告のもれに注意!
個人事業者や不動産オーナー、給与以外の収入がある人などは所得税の確定申告が
必要です。
以下のような申告もれがないか、確認しましょう。
○満期保険金・解約返戻金の受け取りは、一時所得として申告が必要な場合があります。
○ふるさと納税の返礼品や懸賞金、競馬の払戻金なども一時所得です。
満期保険金などとの合計で50万円を超えると、申告が必要になることがあります。
○医療費控除額は、平成29年中に支払った医療費の総額から、保険会社からの保険金や
高額療養費などによる補てん金額を差し引いて計算します。
○外国為替証拠金取引による利益は、雑所得として申告が必要です。
○ふるさと納税のワンストップ特例は、確定申告をすると無効になります。
確定申告において、あらためて寄付金控除(ふるさと納税)の申告が必要になります。